唇に触れる感触、触れるようなキス。
目を開けるとシオンは俯いていた。
「…ありがとうございます。これで私はまたがんばれる。きっとどこまでも、がんばれるはずです」
そう言って上げた顔はまた満面の笑顔だった。
「…シオン?」
「今日は私のわがままに付き合ってもらってしまいましたね」
ベンチを発ち夕日に向かって立つ。その影はどこまでも長かった。
「さあ、もうお開きにしましょう。あまり遅くなると秋葉に怒られますよ?」
「あ、ああ。でもシオンは…?」
「私はこの後駅に行きます。あまり暇もありませんので」
振り返ったシオンは既にいつものように無表情だった。
「…じゃあまたいつか」
「ええ、近いうちに」
ベンチを立ち公園と発つ、途中何度か振り返ると夕焼けの中シオンは、ずっとこちらを眺めていた。
「…お待たせしました」
シオンは一人残った公園でつぶやいた。すると木の上から法衣の女性が公園に降り立った。右手には数本の剣が握られている。
「まさかキスまで許してもらえるとは思いませんでした。意外と懐が広いのですね、代行者」
「もう一瞬長かったら許せなかったかもしれませんが」
「感謝しています。貴方のことが頭に無かったら首筋に噛み付いてしまったかもしれません」
「…もう、戻れないんですね」
「これもまた意外です。貴方からそんな言葉が聞けるなんて」
「自慢の分割思考も鈍ったものですね。遠野君が悲しむからですよ」
左手にも数本の剣を抜き構える。
「勝てると思っているのです?」
「ええ、不可能を可能にしてこそアトラシアです」
―BAD END―
知得留 「はーい、なんだか分からない内にBAD END、そんな貴方に問答無用で救済の手を、無断で出張『教えて!知得留先生』の時間です」
猫アルク 「救済も何も、選択肢は一つしかないにゃ」
知得留 「今回のバットエンドの原因はずばり夕陽の魔力に負けて目を閉じてしまった事です。さっさと戻って違和感バリバリな作者の文章に突っ込みを入れましょう」
猫アルク 「どっちにしてもシエルはあんまり居る意味無い気がするにゃ」
知得留 「うっ、あ、貴女なんて出てきもしないじゃないですか!」
猫アルク 「いいにゃ、アクセス解析の結果月姫キャラの中では一番私目当ての客が多いニャ。つまりこのサイトは私で持ってるといって過言じゃないにゃ」
知得留 「金ぴかには負けてますけどね…」
猫アルク 「…」
知得留 「…」
「「……」」
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